めざすは「木の国」日本の活力剤「液体ガラス」による木材の高付加価値化技術
日本はかつて「木の国」であった
日本の国土面積に占める森林面積は67%。フィンランド、スウェーデンに次いで世界で3番目の森林国です。
日本人は古代から木材の性質を熟知し、巧みな木材利用で独自の木の文化を築いてきました。例えば、世界を代表する歴史的な木造建築の多くは日本にあります。世界最大の木造軸組建築物は東大寺大仏殿、最も高いものは東寺の五重塔、最古の木造建築物は飛鳥時代の姿を今に伝える法隆寺西院伽藍などです。
自給率30%の現実
しかし、現在の木材自給率は30%程度で、需要の大半以上を輸入に頼っている状況です。
木材は、現在も重要な建築材料として利用されていますが、実は戦後の日本は「木の国」と呼ばれるほど、木材を使っていません。
なぜ、木材、特に国産材の利用が低いのでしょうか?その理由には、戦後の森林資源保護と防災のための木材利用抑制政策の継続、木材の輸入規制の廃止による輸入材の需要増加などがあります。
また、戦後に植林された人工林が用材として利用可能な状態に成長したにもかかわらず、木材の持つ弱点を克服し、活用するための技術を持っていなかったために、普及度に優れた鉄や鉄筋コンクリートにとって代わられてきた歴史があります。